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あれから冬馬についたあだ名は「ホスト」。義務教育の間、冬馬は授業参観が近づく度に、無数の目に苛まれる悪夢にうなされ、トラウマを抱えることになったのだ。
中学、高校とステージを移してから、親が出入りできる文化祭の存在などもひた隠しにし、夏樹には極力関わらせないようにしてきた。ここで高校生活を壊されてなるものか。
「これだけは言っておく。面談の際にオシャレは必要ない。関係ないやつに話しかけるな。女に微笑みかけるな。それから……」
「えー、それ何度も聞いたやつ」
冬馬による『面談時の心得』は小一時間、夏樹に浴びせられた。当の夏樹はというと耳半分の様子ではあったが。
翌日、調査用紙は担任に受理され、第一希望として記入した日程で、進路面談がとり行われることとなった。
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