2 訃報

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 それに対し、冬馬は賛成も反対もしなかった。ある意味想定内の流れだったともいえる。 「住所わかるの?」 「別れたときに、楓が念のために知らせていったんだよ」  そうして夏樹が色の変わった葉書を掘り出してきて、次の休みに訪ねてみようという話になり、こうしてこの場に立っている。  連絡先をわざわざ置いていくなんて――夏樹と楓は憎しみあって別れたわけではないんだなと、改めて思う。 (むしろ義母さんは、本当は別れたくなかったのかもしれない……こいつの浮気さえなければ)  じっとりとした視線を夏樹に向けて放ったが、本人はどこ吹く風だ。  夏樹は結婚に重要性を見出していない。自分はどちらでもいいけれど、相手が別れたいというなら別れよう。そういうスタンスなのだ。そういう面では本当に夏樹はわがままで、自由人で、壊れている。  楓は強い女性だったから、夏樹と別れてもたくましく生きているだろう。もしかしたら再婚して、もっと幸せになっているかもしれない。  それを願う一方で、反発する気持ちもあった。
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