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5 凶事は突然に
「終わったー……」
期末テストの最後の科目、終了。やるだけのことはやった。
チャイムが鳴って解答用紙の回収を終えた教室は、まるでムクドリの巣のようにピーチクパーチク大変な騒ぎになっていた。だが解放感に満ち溢れているのは冬馬も同じ。
「よっしゃー! これで思いっきりゲームができる! 冬馬、おまえまだ買ってねーの? 買ったら教えろよ。オンライン対戦やろうぜ」
「お、おう……装備とか整えてからな」
岡崎とのゲーム話で盛り上がりそこねて、思い出した。欲しかった新作のゲームはすでに発売日を過ぎている。
予約もできていなかったが、ネットで探せばいずこかで調達できるだろう。
父とは互いに完全無視の冷戦状態が続いていて、結局は誕生日プレゼントうんぬんの計画も露と消えてしまったが、もうどうでもいい。折れるくらいなら、自分で買う。
少し軽い足取りで、終業の鐘とともに帰路についた。
自宅の前まで来ると、隣の家のおばちゃんが出てきて、冬馬を呼び止めた。
「ちょっとちょっと、冬馬くん。これ、貰い物なんだけど、良かったらお父さんと食べて」
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