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昼休みになるとまたわたしの周りには人垣が出来ていた
「みんなで遊べる遊びしようよ」
舞がそう言うと、クラスメイト達はいでもない、こうでもないと言い合いながら、結局鬼ごっこをすることになった。
「私ジャンケンよわいんだよね」
私がそう言うとクラスメイト達は私も俺もと誰が1番弱いかを決めるトーナメントになってしまった。
「桜がんばれ!次で勝負がきまるよ!」
応援されているが決して嬉しくない。
沢山の生徒の中、私は負け続けて弱い奴グランプリになりそうだったのだ。
(次は絶対に勝つ!)
そう強く決意して、ジャンケンをした。
「さすが桜ちゃんだね!」
「すごい!とうとう弱い奴グランプリとったよ」
皆んな私が1番弱いことを褒め称えてくれた。
不名誉だけど嫌な気分ではない。
(こういうの、椿がやりたかったことなのかな・・・)
わたしはそっと椿のことを考えた。
今日は報告がてら椿に会いに行こう。
そう思いながら、クラスの皆んなの反応に戸惑いながらも楽しくて久しぶりに笑った。
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