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椿のお母さんは集中治療室の椿の手を握り微笑んでいた。 本当は泣きたいだろうに、なんて強い人なのだと私は心が震えた。 私は泣き腫らした目で椿の綴ったリストを何度も読み返していた。 気が付かなかったが、一度書いて消した後がある事に気がついた 私はそれを目を凝らしてじっくり見つめる。 "桜と桜の花を見る" それを理解した途端、私はまたボロボロと涙が溢れて止まらなかった。 椿はわかっていたのだ。 来年の桜は見られないかもしれないことを。 それなのに私は椿との時間が心地よくて見ないふりをしていた。 なんて弱くあさましいのだろう。 そうこう考えているうちにも椿の命はあの世とこの世を行き来している。 私には何も出来ることはない。 ただ待つだけ。
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