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私の体調が落ち着いて声も出るようになった頃、椿のお母さんが私の元に尋ねてきた。 偶然同じ病院に運ばれてきたからすぐに噂で聞きつけてずっときたかったけど、面会謝絶だったため、退院前のこのタイミングになったらしい。 椿の様子を聞くと、あの後持ち直して、今は集中治療室にいるけど一生懸命生きていると聞いた。 私は自らの手で命をたとうとしていたのに、椿は必死に生きようとしている。私はそれが恥ずかしくて椿のお母さんの顔をまともに見られなかった。 「ごめんなさい。椿がんばってるのに、裏切るようなことをして」 私は椿のお母さんに謝った。 すると、椿のお母さんは私を抱きしめて頭を優しく撫でてくれた。 何も言わずに、ただ、優しく。 暖かくていい匂いがする。 (これがお母さんの匂いなんだ) そう思うと涙が溢れて止まらない。 (私、最近泣いてばかりだ) でも、心の澱を洗い流すような涙だった
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