9人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「お母さん椿に会えませんか?」
そう尋ねると、椿のお母さんはすぐに病院にかけあってくれて、私の状況などをかんがみて特別に面会が許された。
「椿、きたよ」
椿は私のことを知らされてないので、いつもの笑顔で迎えてくれた。
「今日はお別れを言いにきたの、私ね、しばらく遠い施設にはいることになったから、ここに来られなくなったんだ。リストを消化出来ていないのにごめんね・・・」
椿は呼吸器をつけていたけど小声でなら話せるらしく耳を近づけると椿の声が聞こえてきた。
「内緒の話してもいい?僕ね、桜のこと好きなんだ。だから、離れていてもいつか必ず迎えに行くよ」
その言葉を聞いてわたしは唐突に理解した。私も椿のことが好きだって言うことを。
喋ってねむくなったのか、私が答える前に椿はスースーと眠ってしまった。
私は椿の手を握ると「私も好きだよ」
そう呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!