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遠くの星
わたしは家に帰ってすぐに椿に会いに行きたがったが、おばあちゃんが帰宅の祝いのパーティーの準備してくれていたので、それは叶わなかった。
ご馳走にケーキ。目の前には優しいおばあちゃん。
こんなに素敵なパーティーは弟が死ぬ前以来だった。
「これ、たべてもいいの?おばあちゃん」
わたしが遠慮がちに聞くと、おばあちゃんはコロコロ笑って、
「桜ちゃんのために腕を振るったのよ!もちろん、たくさん食べてね」
そういいながら、大皿から小皿に料理を取り分けて渡してくれた。
唐揚げ、マッシュポテト、巻き寿司、蛤のお吸い物、刺身
どれも美味しくてお腹いっぱいになるまでたべた。
でも食後のケーキは別腹でそれも食べ切って満足して片付けをおばあちゃんと一緒にする事になった。
2人で台所にたって、おばあちゃんが洗ったものをわたしが布巾でふいて片付ける。
そんなちょっとしたことが嬉しくて私はウキウキした。
おばあちゃんもおじいちゃんを早くに亡くしててずっと一人暮らしだったから楽しいわと言ってくれたのが嬉しかった
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