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次の日は久しぶりの学校。クラスメイトたちが駆け寄ってくる。
「桜ちゃんどうしていなかったの!?皆んな心配してたんだよ」
舞にそう問われて言葉を濁して、
「両親に色々あってこられなかったんだ」
そういうと、余程の事情があると察したのだろう。
クラスの皆は何事もなかったのかのように接してくれた。
「ねえ、今日は久しぶりに一緒にかえろう?」
舞はそう言うが私は椿に会いたかったので、その申し出を断った。
「ごめんね、ちょっと用事があって、また誘ってね」
そういうとわたしは椿の病院にかけて行った。
懐かしい桜の木の下には誰もいなかった。
わたしは岩を確かめに行く。
そこに書いてあった文字はまだ黒々とそこに残っている。
「ここは変わってないな」
そういうとわたしは桜の木を見上げる。
季節が変わり、桜の葉は全て散ってしまっていた。
わたしは病院に入ると椿の病室を受付で尋ねると、受付の人は少しバタバタした後、椿の病室を教えてくれた。
ドキドキしながら椿の病室に向かう。
1番初めに思ったのは、生きていてくれて良かった。と言う事だった。
次に思ったのは今椿がどんな状況なのか。
少しでも回復してくれていい。でもそうでなく、もっと悪化していたら、私にはどうすることも出来ない。
一度だけ届いた椿のボイスレコーダーを握り締め、私は病院の廊下を歩いた。
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