遠くの星

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「桜・・・桜・・・」 椿もポロポロと涙を流しながら私のことを抱きしめ返してくれた。 「椿、私間に合った?椿の寿命に」 そういうと椿は一瞬固まりその後私の背中をさすりながら、言った。 「桜、いいニュースがあるんだ。僕ね、もうすぐ退院できるんだよ」 わたしは驚愕した。まさか椿に会えただけでなくいいニュースまで聞けるなんて。 「本当!?椿はもう身体の具合がよくなったの?」 そう言うと椿は微笑んで答えた。 「奇跡的にドナーが見つかって、手術したんだ,僕、少し顔色良くなったでしょ?今は病院食もたべられるようになったんだよ」 椿は目を輝かせてわたしに語ってくれた。 「じゃあ、椿はいつ退院するの?」 「順調に行けば来月には。桜はもう家に帰ってきたんだよね?話は聞いたよ・・・桜が生きていてくれてよかった」 椿はそう言うとまたわたしを出しきしめた。 「桜ちゃん!?」 振り返るとそこには椿はのお母さんが両手で口元を押さえて立っていた。 「あ・・・ご無沙汰しています」 そう言い終わるのと同時に抱きしめられる。 「桜ちゃん、私気がついてあげられなくてごめんね・・・椿につきっきりだったから。貴方の苦悩に寄り添ってあげられなくて」 そう言うと涙で潤んだ瞳でわたしを見つめた。
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