未来への架け橋

1/1

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ

未来への架け橋

桜の花がヒラヒラと舞い落ちる。 その後ろには海がキラキラ輝き、その対比がとても美しかった。 「散る桜を見るのも楽しいけど、見上げた桜の花も綺麗だよ。上を見てみて」 私は椿の手を取り上を指差した。 「ああ、本当だ。桜の花の間からお日様がキラキラしていて、宝石みたいだね」 そう言って私を優しい笑顔で見つめてくれる。 わたしと椿は今日ここで結婚する。 「椿、これ」 私は椿に指輪を手渡す 「2人だけの結婚式だね」 私は掠れて見えづらくなったわたしと椿の契約の印を指でなぞる。 「僕たちにとってここが夢を掴むスタート地点だったんだ。僕は生きる事、桜は愛を掴む事」 私は椿の頬にキスをした。 「両方かなったね」 コクリと椿が頷く。 「桜、どんなことがあっても僕と一緒にいてくれますか」 「はい。ずっと椿の隣で貴方を支えます」 そう言うと椿はわたしの左薬指にきらめく銀色の指輪を差し込む。 「椿、なにがあっても私と生きてくれますか」 「はい。永遠に桜のそばにいるよ」 今度は私が椿の左薬指に指輪を差し込む。 海がキラキラ輝き、空もどこまでも青く、そこに咲く桜の花は美しかった。 私たちはその下で永遠を誓う。 きっとこの先もずっと、2人は一緒にいるだろう。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加