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未来への架け橋
桜の花がヒラヒラと舞い落ちる。
その後ろには海がキラキラ輝き、その対比がとても美しかった。
「散る桜を見るのも楽しいけど、見上げた桜の花も綺麗だよ。上を見てみて」
私は椿の手を取り上を指差した。
「ああ、本当だ。桜の花の間からお日様がキラキラしていて、宝石みたいだね」
そう言って私を優しい笑顔で見つめてくれる。
わたしと椿は今日ここで結婚する。
「椿、これ」
私は椿に指輪を手渡す
「2人だけの結婚式だね」
私は掠れて見えづらくなったわたしと椿の契約の印を指でなぞる。
「僕たちにとってここが夢を掴むスタート地点だったんだ。僕は生きる事、桜は愛を掴む事」
私は椿の頬にキスをした。
「両方かなったね」
コクリと椿が頷く。
「桜、どんなことがあっても僕と一緒にいてくれますか」
「はい。ずっと椿の隣で貴方を支えます」
そう言うと椿はわたしの左薬指にきらめく銀色の指輪を差し込む。
「椿、なにがあっても私と生きてくれますか」
「はい。永遠に桜のそばにいるよ」
今度は私が椿の左薬指に指輪を差し込む。
海がキラキラ輝き、空もどこまでも青く、そこに咲く桜の花は美しかった。
私たちはその下で永遠を誓う。
きっとこの先もずっと、2人は一緒にいるだろう。
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