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『どうして私じゃなくこの女と?貴方の婚約者は私ですわよ⋯?』
予言書に確かに書かれていた、“悪役令嬢”の台詞と余りにも似通っていたからだ。
“そしてもし今の台詞が、予言書に書かれていた私の台詞なら⋯”
「そんなに縛っては可哀想だわ」
ふわりと仕事着のスカートをなびかせ私の腕を取ったのはもちろんヒロインであるアリスだった。
“私、この光景も知ってる⋯!スチルで見たわ⋯っ”
そして次に続く言葉はきっと。
『貴女には関係ないんですわよ』
「貴女には関係ないでしょう」
『レオンは私の』
「セリは僕の」
「『婚約者なんですから』」
スチルの中でヒロインに冷たい視線を送りそう言いきったのは確かに私だった。
しかし今、冷たい視線を向け“悪役”の台詞をいい放つのは“攻略キャラ”と書かれていたレオで。
“どういう事⋯?この世界は、レオンルート⋯つまりレオとヒロインであるアリスの恋が進むはずなのに、悪役が入れ替わってる⋯?”
まさか。
まさかまさか。
まさか私が未来をかえようとしたから、補正が入ったというの?
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