プロローグ:「こうりゃくぼん」をてにいれた!

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プロローグ:「こうりゃくぼん」をてにいれた!

あれは私が丁度7歳の頃だった。 我がフローチェ公爵家の先代⋯私ことセシリスのお祖父様は珍しい品を集めるのが好きだった。 そのお祖父様の集めた品々は幼い私にとってキラキラ摩訶不思議な魔法道具のように思え、よくおねだりしてそのコレクション達を見せてもらっていて。 そしてそのコレクションの中の1つに、『危機を救うために異世界から召還された聖女』様の持ち物だったという本があった。 「お祖父様、この本はなぁに?」 「聖女様の絵本だろうな。ただ、聖女様の元の国の言葉で書かれているから読めはしないのが残念だ」 ふぅん、と思いつつ何気なくその本を開く。 「ーー⋯ッ!?」 その瞬間、何故かバチバチッと火花が散ったような錯覚と共に一瞬めまいを覚えて。 そして読めるはずのない“異世界の言葉”で書かれている本の文字が“わかる”ようになった。 どう発音するかもわからない言葉達だが、それでも何故か“わかる”。 一瞬ぽかんとして⋯ 「セシリス、どうかしたのかい?」 「お祖父様⋯この本ね、こうりゃくぼんって書いてあるわ」 「こう⋯、え?」
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