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しかしわからないなりに興味を引かれ、数ページ捲るとまるでお伽噺の絵本のような、ロマンチックな絵が沢山描かれていた。
「すちる⋯」
すちる、とは何なのか。
おそらくはこの絵画のタイトルだろうが何故全部同じタイトルなのか。
意味はわからなかったが、それでも可愛い絵画は見るだけで心が踊るというもので。
うきうきと更にページを進め、ある一枚の絵画で手を止めた。
「この女の人は、私と同じ名前の⋯」
それは、私と同じ“セシリス・フローチェ”という名前の付けられた女の人が“メイン攻略キャラ”と記載されている男の人に剣を突きつけられているシーンで。
「ヒロインを虐めた罰で処刑されるセシリス・フローチェ⋯?どういう事⋯?」
絵本に似合わない“処刑”という言葉。
そしてあまりにもリアルに描かれた剣を突きつけられている絵画。
そして突きつけられているのが“自分と同じ名前”で⋯
「髪も瞳も私と特徴が同じ、名前も同じ⋯それにこのメイン攻略キャラって書かれている男の人の名前⋯」
それは紛れもなく、我が国アストリッドの第二王子、ヴァレリー・アストリッド殿下と同じ名前が書かれていて。
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