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「わ、私は! お姉ちゃんになるの、嫌じゃないよ。さ、最初聞いたときはビックリしたけど、でも、あの、赤ちゃんには罪はないから。だからみんなで、ゆっくり家族になっていけばいいと思うの……!」
ドキドキして顔があげられない。お願い、誰かなんとか言って!
「……いいと思う。俺も賛成」
パッと顔を上げると、春風くんと目があった。ニコッと笑いかけられて、恥ずかしくなってうつむいてしまう。
「そ、そうだよな! 未来の言う通りだ! 奏多くんも華子も、まだ納得できてないところもあるかもしれないけど、これから少しずつ、ゆっくり家族になっていこう。生まれてくる赤ちゃんのためにも」
お父さんがほっとした顔で言った。
「それ出されると困るんだけど」
不機嫌そうに言う華子。
「奏多! たとえ赤ちゃんができていなくても、私は正信さんとの再婚、決断していたと思うわ。気持ちが追いついてからでいいの。……家族になりたいのよ」
多香子さんの言葉を聞いて、奏多くんはそっぽを向いた。
「……好きにすれば。どうせすぐにうまくいかなくなるだろうけど。」
「奏多~!」
多香子さんに抱きつかれ、慌ててもがく奏多くん。
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