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よいこちゃんとわるいこちゃん
「再婚~!? お父さん、今、再婚って言った!?」
夏休みの始め、朝8時。私と華子とお父さんの、家族3人で朝御飯を食べていたときの事。
お父さんが急に、「大事な話があるんだ」なんて言うから、夏休みにどこか遊びにつれていってくれるのかなって期待して続きを待っていたら。
「父さん、再婚しようと思っているんだ」
私の予想は大きく外れて、思わず食べていたコーンフレークを吹きそうになった。
それとは反対に、華子はイスから立ちあがって、お父さんに向かって叫んでいた。
「再婚~!? お父さん、今、再婚って言った!?」
「言ったよ。相手は同じ職場の上原さんっていって、双子の男の子を女手ひとつで育てている、シングルマザーだ。同じ年頃の双子を育てている者どうし、ウマがあってね。半年前から付き合ってたんだけど、華子や未来には言いそびれてしまった。事後報告になって悪いが、今度の日曜日、顔合わせに食事に行く事になったから、ふたりとも予定をあけといてくれるか?」
「それはいいとして。同じ年頃の双子ってなに? 正確にはいくつなの? その連れ子!」
ドンッと机を叩いて前のめりになって聞く華子とは正反対に、私はアワアワとしながらふたりのやり取りを見守るしかできなかった。
「お前達と同じ、10歳。小学校4年生だ」
「同い年~!? やだやだ! 同じ年の男子なんて、うるさいばっかの猿じゃん! あたし、反対だからねっ、再婚!」
華子はそれだけ言うと、イスに座ってコーンフレークをむしゃむしゃ食べ始めた。
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