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「出たよ、他人任せ! 未来はもうちょっと自己主張した方がいいと思うな、あたしは!」
言って、バリボリコーンフレークを食べる華子。
私だって、華子みたいに自己主張出来たら楽しいだろうなって思ってるよ。でも、ついつい周りの顔色をうかがってしまって、当たり障りのない返事しかできなくなってしまう癖がある。生まれつきの性格なのかもしれないけど、自分の意見を通すのは昔から苦手だった。
「わ、私だってちゃんと考えて返事してるよ」
「どーだか! お父さんの圧に負けたように見えたけど?」
横目でじろりとみる華子に、私はなにも言えなくなってしまった。
「そうなのか? 未来。本当は嫌なのか? 嫌なら嫌って言っていいんだぞ?」
お父さんがハラハラした感じで私をみる。
こうなると私は弱い。ついつい当たり障りのないことを言ってしまうのだ、波風をたてたくなくて。
「い、嫌じゃないよ。新しい家族が増えて、楽しくなるかもだし……」
「楽しくならないかもしれないじゃん!」
横から鋭いつっこみをいれる華子。
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