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【3】
一週間が過ぎても笹倉夏帆は復活しなかった。ローズボーイの憂鬱の更新日は一週間前の日付で止まったまま。
この一週間、春子は春子なりに考えてもみた。もう一度、最初から小説を読み直し、なんとか七緒と颯斗の接点を見出だそうと努力すらした。しかし、それらはこれから描かれるものなのだろう。何度読んでも颯斗の七緒への態度は冷たいだけのものだったし、七緒のほうもまた興味がないように思えた。
ただ、ひとつ気付いたことがある。それは、一日も休むことなく更新を続けてくれた笹倉夏帆への感謝であった。更新されるのが当たり前だと思っていたのが、今は毎日楽しみを与えてくれてありがとうという気持ちになっている。
だからこそ、笹倉夏帆には早く復帰してもらって、七緒と加瀬の未来を描いてほしい。今まで作者本人にはまったく興味がなかったが、春子は自分の想いを伝えたくて、初めて笹倉夏帆のツイッタを開いてみた。
まだ悩んでいるのか。
あるいは、落ち込んでいるのだろうか。
同情的な気持ちになりながら開いた笹倉夏帆のアカウント──そこには、春子の意に反して元気そうな笹倉夏帆がいた。
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