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作者の笹倉夏帆が、そんなメッセージをだしたのは春子が批判的なコメントを送った翌々日のことだった。
仕事の昼休憩時に更新の通知がきたので、喜び勇んで開いてみればコレである。パサついたサンドイッチにかぶりつき、春子はフンと鼻を鳴らした。勢いに任せ残りのサンドイッチを口に詰め込み、缶コーヒーで流し込む。膝に落ちたパン屑を床へと払い落とし、さてどうしたものかと画面を睨み付けた。
ついこの間まで、笹倉夏帆は一日も休むことなくローズボーイの憂鬱を更新し続けてきた。そして春子もまた、一日も休むことなく作品を追い続けてきた。それが一週間も休むというのは大事である。案の定、読者から「大丈夫ですか?」「待ってますのでゆっくり休んでください」等の励ましの言葉が続々届いている。
だが、春子は不満だった。なにもかもが気に入らなかった。
笹倉夏帆は『当初からのプロット』と、まるで七緒と颯斗がくっつくのは最初から決めていたかのように言うが、主軸はそうであっても細かい部分は書き進めながら帳尻を合わせていたはずである。実際、キャラクターが勝手に動くからプロット通りに進まないと、笹倉夏帆がこぼしていたのを春子は知っている。
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