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 クラスメートたちは「気にすんなよ」と笑ってくれたけど、僕はみんなに顔向けができなかった。  絶対勝とうってみんなで盛り上がっていたのに、僕一人のせいでみんなの夢を台無しにしてしまった。  申し訳ない気持ちで押しつぶされそうになりながら、とぼとぼと保健室に向かって一人で歩いていると。 「コウタくん」  後ろから呼び止められて振り返ると、サトミちゃんがいた。 「さ、サトミちゃん」 「嘘、ついてたんだね」 「え」  どろんこを見るような目で睨まれて、全身が動かなくなる。 「アンカーってなに? スポーツ万能なんじゃなかったの? いつも手紙に書いてたのはどういうこと?」 「ち、違うんだよ、サトミちゃん……」 「何も違わないじゃない。もう、二度と手紙なんて送ってこないでください。さようなら!」  サトミちゃんはぴしゃりと言い放って僕に背中を向け、すたすたと遠ざかっていった。    雲一つない青空の下でふわりと揺れる三つ編みを、僕は追いかけなかった。  だって、どうしようもなくわかってしまったから。  たった今、僕は百パーセント振られたんだって。
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