6519人が本棚に入れています
本棚に追加
『…変な女の人に騙されそうで、心配』
「他の女と接する予定なんてないし…必要ない。俺には絢音がいるから、他は要らない」
『すごく綺麗でスタイルのいい秘書が現れたら?取引先の相手が美女で律希さんに気があるとしたら?』
「仕事での人間関係は所詮、仕事上での付き合いだ。会社を出た瞬間から他人。相手が俺に気があるならそれを利用させてもらった上で契約が決まった瞬間から別の人間に相手をさせる」
………それはそれで、なかなか酷だな。
出会った頃から確かに…律希さんは仕事人間だった。職場恋愛をするようなコミ力の高い人ならわざわざあんな安っぽい婚活パーティなんて参加しないだろう。
「だから、絢音がそんなことを心配する必要はどこにもない。…分かった?」
分からないよ。律希さんが全然、分からない、
もっと嫌な人なら良かったのに。御曹司で金遣いが荒くて…子ども嫌いで口うるさくて、性格が悪くて横暴でわがままでっ、、そんな最低な人なら良かったのに。
そしたら迷いなく離婚届を叩きつけて、なんの後腐れもなくこの家を去ることが出来たのに。
最初のコメントを投稿しよう!