まえがき

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10. ドアの前には母親らしい人物が玄関に立っていた。 「どうしたのレオ?」 玄関先にいた俺に声をかけた… 「どうも・・・」 その人物…母親?息子レオ?に声をかけたつもりであった。 するとその人物…母親?が… 俺に… 「貴方だれ?」 「どうしてここに?」 「時間外に街を彷徨っているなんて?」 その人物…母親?が俺に少し強い口調で話してきた。 「かあさん…ゴメンよ…放っておけなかったんだよ…」 その少年レオ?は、母親らしい人に俺を家に招いた報告をしていた。 そして俺のことを見ながら少年レオ?は… 「かあさん…この人が身に付けている物、見たことある?」 そう話すと少年レオ?と母親?は俺の全身を食い入るように見入っていた。 部屋の奥には、二人以外に誰かが居るようだ、話し声が聞こえてくる。 まず、礼を… しかし、この世界で礼が? 「ありがとうございます」 「もう時間内になったから大丈夫でしょう!」 母親らしい人が俺に話しかけた。 俺が… 「え…時間内って?」 俺は何がなんだかさっぱり分からず言葉を返した。 「まあ、狭いけど入ってください」 母親らしい人が俺を部屋に招いた。 「誰だ?また変わった服を着ているなぁ」 突然、年の頃、50を過ぎた白髪の男が俺を見て呟いた。 母親?に招かれた家の中は、約八畳ほどの部屋があり…4人住んでいた。 4人の住人は… 少年のレオ… その母親のイマ… そして、レオのおじさん、母親の兄さんリク… その妻のノナであった。 部屋は一間で台所、トイレが付いていた。 俺はこの時… この世界でも俺のいた世界と生活は変わり無いと感じた。 しかし、部屋の中は、外より少し湿度が多く蒸し暑さを感じた。 それは、この狭い部屋に、四人も住んでいるせいなのか…? 「あなたの名前は?」 母親のイマが俺に訪ねた。 「久我山 涼です」と俺が答えた。 すると… 「え…」と母親イマが怪訝な表情となり… 俺、以外の全員が顔を見合わせていた。 今迄に聞いた事がない名前らしい。 「あなたは何処から来たんですか?」 俺は、なんて説明していいかわからなかった。
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