まえがき

2/90
前へ
/91ページ
次へ
はじまり 1. 生暖かい風が全身に当たり息苦しさを感じ… 目が醒めた… 「眠ってしまったようだ…」 俺は独り言を呟いた。 そこは電車の中であり… 俺は何も考えることなく、薄暗い車内の蛍光灯を眺めていた。 車内の蛍光灯は4本存在し… 一本は短い周期の点滅をせわしなく繰り返し… もう一本は約30秒周期の点滅を繰り返していた。 目が醒めてから、何かの暗示にでもかけられたかのように… 点滅を繰り返す蛍光灯の一点を眺めていた… そんな時、頭の中のどこかで「ここから出ろ!」と… 誰かが叫んだ! その声は確かに聞こえたが、声とも、音とも思え無かったが… 確かにその「ここから出ろ!」を頭で感じ… それを全身で受け… 「アウッ…」 俺は我に戻り、押し出されるように車外から飛び出たのであった… 飛び出た場所は駅のホームであり… 足をかけた瞬間、後ろにあった俺が乗っていた電車が… イリュージョンを観ているかのように消えたのであった。 俺は恐怖を感じ、全身に悪寒が…
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加