バトン

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「け、結婚の挨拶って私達まだ付き合ったばっかりだよ!?」 「うん。だから?」 どこでもいいって思ったけど前言撤回。 目が本気だ。怖い。 さっきまで瞬くんの笑顔がキラキラ輝いて見えてたのに、一瞬にして黒色のオーラに変わったような気がした。 今まで結婚の話なんてしたことなかったのに、どうしてそんなこと言ってくるの? 昨日までとキャラが違うのは何で? 「瞬くんだって、"そうだ、瞬くんの実家に行こう"って急に言われても困るでしょ? ご両親の都合もあるだろうし……」 「僕は全然困らないけど。あ、結婚したら男の連絡先は全部消してね?」 ダメだ、話が通じない。 いずれそうなったらいいなとは思ってたけど、それは今じゃないよ。早すぎる。 「わ、私は困るの」 「いつならいいの?」 「それは……」 何て答えたらいいのか分からなかった。 「恵梨香ちゃんは僕のこと好きって言ってくれたよね? あれって本心だった?」 瞬くんから付き合ってって言われた時、とっても嬉しかったよ。元カノ達とは長く続かなかったって聞いてたから、飽きられないように頑張ろうって思った。 でも。
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