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7月下旬になり、私はようやく監督に呼ばれて偽的での練習を始めた。私ともう1人の女の子は、ようやく呼ばれたと歓喜しながら監督の指導を受けた。
弓はゴム弓と比べ物にならないくらいに強く、引くことに力を使った。
右肩にたくさんの負担がかかり、痛いと悲鳴をあげる。
イメトレでは完璧だった動作は、現実では全くできそうになかった。
同じスタートラインで始めた同級生は、先輩の指導の元でぼちぼち本番の的で練習を始めていた。
そして数日の日々が経った時、スパン!と活きのいい音が聞こえた。それから1秒も立たずうちに道場中に歓声が響く。私は練習をする手を止めて、そちらへと目を向けた。
同級生の城本 薫が、的を射たようだった。1年のメンバーで初めて的を射た少女。先輩も嬉しそうに拍手をして、みんな彼女を褒めていた。
彼女は緊張していたのか深呼吸をする。 そして改めて中たった現実を目の当たリにすると、見た事ないほどきらきらとした笑顔を見せた。
早く私もそこに立ちたい。
その一心で偽的を睨んだ。
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