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結末
決断を下した時から、レディンもニネットも覚悟していた。重罪を犯した人間の末路は決まっている。
死刑だ。ただ、人が直接手を下すことはしない。酸性雨が降る土地に放たれ、じわじわと殺される。それがエトビアでの執行方法だった。
あの後、総監督が証人となり、レディン一人に責任は課された。
勝手な判断でフィルターを開いた罪。絶大な環境汚染をもたらした罪。また、先祖の培ってきた生活様式を壊した罪。何よりも、まだ助かる命を個人の情で殺めた罪が大きかった。
それら幾つもの罪状が積まれ、レディンは一人国外へと追放された。
その日から、ニネットとフラウの生活も地獄に変わった。
火災で家族を失った者はもちろん、報道を目にした人間にも迫害される日々。復讐と称し、命が狙われたこともあった。
最終的には、逃げるように町を移動し辺鄙な土地に逃げた。
そこは、フィルター管理の行き届いていない町だった。ニネットはそこで初めて、管理外の町の存在を知った。
けれど、その町は立派に生きていた。家を何度も修復し、作物を作りあげ生活していた。――生活、出来ていたのだ。
暮らしは大変だったが、ニネットは何とかフラウを育て上げた。
レディンを恨むこともあったが、それ以上の感謝で覆った。レディンの勇姿を思いだし、無言の愛を天に送った。
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