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死んでいる相手に吐き捨て、マガジンを交換。敵がいないか部屋を見回した。
「あーーーーーーーーっ!?」
「ひぃっ!?」
突然叫びだしたノアに驚き、カノシタの体が跳ねた。
「ノアのコートが台無しになってるぅーーーー!?」
ノアが駈け寄ったのは、壁に掛けていた自分のコート。清純さを纏うような白いコートは、先程の銃撃戦の最中、無残にも流れ弾で穴だらけになっていた。
「マジサイアクなんだけど!」
穴だらけのコートを抱き締めて悲哀に満ちていると思ったら、今度は拳銃をカノシタに向けた。
「買って貰ったお気にのコートだったんだけどっ!?」
「俺じゃなくね!? それ俺じゃないでしょどう見ても!」
「うっさい変態! ザコ虫!」
まったく状況が読めない中で、ヒステリックを起こされてカノシタはどうしていいかわからない。なんだこのクソガキ、情緒不安定じゃないか。
どうなるのか考えられない中、ノアは深呼吸して落ち着きを取り戻して拳銃を下ろした。コートとナイフをベッドに置き、床に転がっていた自分のアイフォンを取った。
画面が割れていないことを呟き、どこかに電話をかけた。
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