翌日

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 極力平静を装い、私は本日の報告書を書くために引き出しを開けた。 「‥‥‥!!」  私の手が止まる。瞳孔が開き、全身から冷や汗が噴き出るのを感じた。  報告書の用紙を一枚手に取ると、その下に見覚えのある電卓があったのだ。  私は固まって動けなくなりながらも、頭の中で必死に記憶を遡らせた。  電卓がここにあるなら、一番上の報告書用紙は浮き上がっていたはずだ。でも、何度思い返しても、今朝ここを見た時には、報告書用紙は浮いていなかった。いや、それともあるはずがないとタカをくくって適当に見ただけで本当は浮いていたのだろうか。  いや、そんなはずはない。昨日だって報告書の用紙は手にしているし、その時には用紙の間に異物(・・)なんて何もなかった。そして事件はその前に起きている。  頭はフル回転しているが、その間、私の体は文字通りフリーズしていた。  時間にしたらほんの五~六秒の事だが、私にはその時間がとてつもなく長く感じられた。
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