翌日

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「本当にすまん。もう二度とせんから許してくれ」  慌てふためく課長を一瞥してから、私は再びデスクに視線を落とした。頭に血が昇って次の言葉が何も浮かばない。  黙々と書類を進めていると、まさみさんが小さなため息を一つついた。 「ゆきこさんに辞められたら困るわ。これでも私はあなたの能力を買っているのよ」  まさみさんの不意打ちのような一言に、下を向いたまま手を止めた。私は何も特別な事をしている訳じゃない。言われた仕事をただ淡々とこなしているだけだ。それでもそんな私をまさみさんは認めてくれている。そう思うと私も前言撤回した方がいいんじゃないかと思えてきた。  別に本気で辞める気なんてない。ただの売り言葉に買い言葉だ。辞めませんよと言おうとしながらも、私はまさみさんの次の一言を待った。  待ったのだけれど‥‥‥
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