古村市生活環境課

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古村市生活環境課

 私は輪多(わだ)ゆきこ。ここ古村(こむら)市で産まれ育って、この春で三十九年になった。七年契約で古村市役所の生活環境課の臨時職員になったのが一昨年の四月。  生活環境課の業務は、ゴミ処理、市内の衛生管理、飼い主不明のペットの遺体回収などその業務は多岐にわたる。  そんな私に課せられた業務は『不法投棄ゴミ及び特定外来種の探索』で、主に市内を車で移動しながらの見回り、また通報があれば現場に赴いての確認というのが主な一日の仕事だ。  といっても今回の話はそんな業務に関わるお話ではなくて、私がこの職場で受けたある出来事について話してみようと思っている。  周りからしたら些細なことかもしれないが、その時の私は心臓が止まるかと思った。あの時は本当に血の気が引く思いがしたのだ。  私の上司にあたる係長、尾澤(おざわ)まさみはとても優秀な職員で、後に市長補佐にまで上り詰めるのだがそれはまだ先の話。良く分からないけれど超エリートらしく、他の職員からも一目置かれているそうだが、私に言わせれば「はあ?」なのである。  なにしろ今回の事で、まさみさんが天然なのか理知的なのか、ますますわからなくなってしまったのだから。
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