世界

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小学校から今まで。悪さをしては走って逃げまくってきた。俺の速さには誰も追いつけず、俺はすっかり天狗になってた。 だが、高校に入ってから俺の運命が変わった。 -------------------------------------------------------------------------------- 「まてコラァ!! 弁当返せぇ!! 」 陸上部だかなんだかの部員から弁当をひったくり、絶賛逃亡中。しかし、ただの陸上部員が俺に追いつけるはずもなく。 「ハッハー! 追いつけるもんなら追いついてみなー! 」 俺が世界で一番速い。そんな脆い幻想を抱いていた。しかしそれは、ヤツによって砕かれた。 俺がひったくって持っていた弁当を、誰かが後ろから走ってきてひったくったのだ。 「は、ハァッ!? 」 俺の前に人がいる。その事実に目を疑った。 しかし、ヤツは俺の前に立っていた。 「......最近、校内を走り回っているのはお前だな? 」 真面目そうに制服を着こなし、真面目そうな顔で俺を見ている。オマケにメガネまでかけている。 「たぶん俺だけど......」 おそらく生徒会役員だろう。俺のことを先公にチクる気だ。そう思っていた。 しかし、ヤツはまるで見当外れの言葉を口にした。 「俺と一緒に、世界を取るぞ」
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