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1.告白ゲーム開始
「早坂、お前また告白されたの?!」
昼休み、否応なしに俺の隣のグループから話し声が聞こえてくる。この声はテニス部キャプテンの波田野の声だ。
「今月入って何人目だよ! 早坂、無双すぎひん?」
大きな声で騒いでいるのは、いつも波田野とつるんでいる蓑島だ。蓑島は明るくて、面倒見がよくて、クラスの人気者だ。
「今月は八人かな。告白されたの」
さらっとものすごいことを答えているこの男こそ、早坂だ。
早坂は、今月だけで八人もの女子に告白を受けたようだ。
「うわーっ、エグすぎる!」
「ありえねぇーっ!」
早坂の答えに波田野と蓑島がワッと騒ぐ。
この三人は俺のクラスメイトだ。三人とも顔が良く、かなりモテるのにその三人が奇しくも同じクラスに集まったのだ。
その中でも特にモテるのが早坂。早坂は、高校三年生になってから、この学校に転校してきた帰国子女だ。外交官の父親を持ち、早坂自身も日本と海外を行ったり来たりしているらしい。
早坂は勉強も運動も学校の成績は抜群で、その上、超絶かっこいい。身長百八十三センチの長身にはっきりとした目鼻立ちの美形。海外では、スカウトされて雑誌のアジアモデルとして活動していた経験もあるらしい。
そんな早坂がモッテモテになるのは必然と言えば必然なのだが。
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