赤と白3部

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   1・二人の行く先は……    しかし、一週間経っても、何処の業界からも連絡が入らない。  歌劇Y&Aの出演を依頼したら他の放送局から敵を作ってしまう。  狭い業界、危険を冒してまで出演させる勇気がなかった。    その時、小さな民放ラジオ局から電話があった。  【新しく出来たラジオ局ですが、宜しければ、出演していただけないでしょうか? 】   「やっと来たぞ!」 「しかし、ジミー、たかが小さいラジオ局ですよ。  もっと、大きなテレビ放送局の方が……」 「そんな、事を言ってられませんよ。」    そしてラジオ収録当日、三人は、ラジオ局に向かった。 「何だ!このオンボロな建物は!」    一人のヨレヨレのスーツを着た青年が出て来た。  【ようこそ、いらしゃいました。  私、ここのサミー・ジョンソンと申します。  私も、審査員でいましたよ。  だから、私にも、出演交渉権は有るんですよ。】  三人は、古びたスタジオに案内された。  収録スタジオに着くと、島崎マネージャーは、辺りを見渡した。 「大丈夫かぁ……  それにしても汚いスタジオだ!  それに、あんな若い青年で……」  【取り敢えず、歌劇Y&Aの収録を撮らせてもらいませんか?】 【ここは、ラジオ局では?】  【歌劇Y&Aを、このスタジオで、一週間まとめ撮りして世界に流すんです。】 「このスタジオで?」  【私達に歌劇Y&Aとの一年契約を結んでくれませんか?  必ず私が、ブロードウェイシアターで公演を実現させます。】    島崎マネージャーは、ジミー・ブラウンに電話を入れて全てを話した。 「ラジオ局の社長と話をしたんですが、若いし、なんか怪しくて、でも一年契約を結んでくれないかと…」   「いいんじゃないですか?  出来たばかりのラジオ局だから、彼らは、勝負に出たんだろう……  吹けば飛ぶような放送局だから、周りの圧力に恐る事もないんだろう……」  今から私は、報道陣の取材に応じるつもりだ。      
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