赤と白3部

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【時代を遡り中世ヨーロッパ一六五〇年頃の話。  大きなお城に住む御曹司ジョンと豪邸で働く家政婦ジュリアンの心が入れ替わる不思議な話である…。】    大きな豪邸が舞台に現れた。  そこで家政婦で働く、貧しい姿のジュリアン(若菜)の姿が浮かび上がった。  【あっ……  若菜だ!すごく、可愛い!  でも、汚い衣装だわ。】  【前に見た時と同じね!  私、覚えてるわ!】   御曹司の息子、ジョン(茜)の姿が現れた。  【おっ、茜も出たぞ!】 【カッコいい〜楽しみ!  続きが観られる。】    ジョンは、家政婦である、ジュリアンを家畜のように扱っていた。  ジュリアンは、それでも耐えて御曹司の息子に従った。  観客は、歌劇Y&Aの演劇にのめり込んで行った。  その時、ジョンは、テーブルが汚れてる事にジュリアンに怒鳴りつけ、近くにあった、花瓶の中に入っていたマーガレットと薔薇を握りしめて怒鳴った。  【俺は真っ赤な薔薇だ。  しかし、お前は、こんな綺麗なマーガレットには、一生慣れない!】  ジョン(茜)は、マーガレットをジュリアン(若菜)に投げつけた。   ジュリアンは、薔薇を握りしめて、薔薇に謝った。 「I'm sorry」  その時、照明が全て落ちた。  少しずつ照明が、明るくなり、傲慢なジョンが、何故か、ナヨナヨしている。  そして、ジュリアンは、仁王立ちしてジョンに叫んだ。 「私は、今まで辛い時も耐えて来た。お前は俺の何を知ってる?」  ジョンは、謝るばかりだ。 「I'm sorry」  ジョンは花に触れて、お互いの性格が入れ替わった事に気づいた。  ジュリアンは、ジョンに叫んだ。 「あなたは、私にした事を理解出来る?」    ジョンは、直ぐ返事が出来なかった……    ここからが、ブロードウェイシアターの公演で見せる内容の始まりだ。
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