赤と白3部

13/23
前へ
/23ページ
次へ
 7・本当の進化。    【ここからだわ!  オーディションの続きは!  やっと、続きが観られるぞ!】  ブロードウェイシアターの会場は、静まり返った。 「私は、お父様やお母様に、甘やかされて育ったから、人の気持ちが分からなかったの……  だから、貴方みたいに、何でも耐えたりしてる人をみたら、どこまで耐えれるか試したくなって……」  【茜がオカマになった!  いや、本当は茜は女だからオカマじゃないよ!  凄く可愛い!  男役も娘役も出来るんだ……  凄いぞ。】 「どうだい。  少しの間、ジョン様は私達の家政婦の気持ちを経験してみるかい?」     前説が流れた。  【約一カ月の間、他の家政婦もジョンに優しく接して、厳しい一日の家政婦の仕事を教えていた。  ちなみにジュリアンは、花を触ると性格が変わる事は、知っていた。】  「私は、ここのお父様に頼まれて、ジョンの教育係を頼まれていたんだ!  この薔薇とマーガレットは、ご主人様から頂いたもの。  この花は何代もの、ご先祖様達が正しい道を歩ませてくれた花だ。  決して今の気持ちを忘れては、なりませぬ。  そして、ジョンがこの花達を後世に伝えてくれ!」  【素晴らしい!実に面白い内容だった!  それに、若菜の男役も最高だった。】  【あの二人、男役も娘役も出来るなんて凄すぎる。】  そして歌劇Y&Aの二人だけの演劇は、終わった。  観客は、総立ちしてスタンディングオペレーションが鳴り止まなかった。  最後にシリウスのメンバーが出てきてエンディング曲、定番の【すみれの花咲く頃】を歌劇Y&Aと一緒に熱唱した。    さぁ、問題は、夜の部だ!  もう、花の力は、借りられない! 「茜、やるしかないよ!」 「おう!任せとけ!」  「おっと、もう、男役に入ってるじゃん…」    
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加