赤と白3部

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そして夜の部が開始された。  ブロードウェイ・シアターには、昼の部を上回る報道陣やテレビ曲などが多く詰めかけたいた。  何故ならブロードウェイ・シアター初のアメリカ本土に生放送されるからだ。  国民の皆んなが、オーディションの続きを期待している。  昼の部、同様にスター・シリウスのショーが、終わり歌劇Y&Aが舞台に向かった。 「茜、行くわよ!」 「沙月、見ていてね!」  二人は胸に付けていた、かすみ草と薔薇を舞台の隅に置き、二人の演劇は始まった。    二人は昼の部と変わらず、素晴らしい演技を披露した。  茜も若菜も全力でブロードウェイ・シアターの屋根を突き破る勢いで歌い、熱い演技をした。  初めて、花の力を借りず二人は、夜の部を乗り切った。  【二人の演技は、実に素晴らしかった!  彼女達は、日本の文化を私達に教えてくれたが、歌劇Y&Aを育てたのは、私達だ!】  初日の公演は大成功に終わった。    舞台を後にして二人は、薔薇とかすみ草を手に取った時、二つの花は枯れ始めていた。 「沙月、ありがとう。  あなたに逢えて私は強くなれた。  弱い私を薔薇の力で、後押ししてくれたけどね。  でも今では自分の力で演技が出来るようになったんだよ。  沙月、観てくれた?  私達の演技を……」   「茜、これからだよ!  私達は、やっと独り立ちしたんだよ。  沙月はずっと、これからも私達を見てるよ。」    《その夜、二人の夢の中に沙月が出てきたそうだ。  昔、逢った沙月は、十四歳。  しかし、夢に出て来た沙月は、大人の女性になっていたそうだ。》   「沙月も、私達と一緒に成長して来たんだね!」 「夢でおめでとう。って言ってくれたよ。  これからは、応援する事しか出来ないて言ってたけど、よくここまで頑張ってね!って言ってくれたわ」 「私にも一緒の事、言ってた…」         
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