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八・ファイナルステージ
ブロードウェイ公演もシリウス、ペガサス、北斗も公演は大盛況で成功して、スター・オリオンが来日した。
空港には舞鶴翼と華咲舞が到着した。
福岡歌劇団の人気はアメリカでも、うなぎ登りでスター・オリオンを待つ歌劇ファンでいっぱいになっていた。
「何年か前に、先輩達がラスベガス公演した時は、客は全く入らず、最終公演を待たずに終わったそうよ。」
「皮肉なものね……
私達の世話役が今では、私達をブロードウェイに招いてくれるなんて……」
「あの子達、世話役しながらも、私達の姿を見て、全てを盗んでたのよね。」
「アイツらの、初舞台は、酷かったが他のスターチームの話によると、あの二人、化け物に変身したみたいよ。」
「だから、どのチームも、いつも以上に練習してブロードウェイに乗り込んでくるんだね。」
二人は、S・Yスタジオの専用車で、直ぐにスタジオ入りした。
「舞鶴さん。お久しぶりです。」
「おぅ、元気か?島崎!」
「はい!
毎日、覚える事ばかりですが、楽しくやってます。」
「あんた、変わったね!
最初、見た時、全てに怯えた娘だったのに、今じゃ自信に満ち溢れてるわ。」
「華咲さ〜ん。」
「若菜。
あんた、何にも変わらないね!」
「華咲さんこそ。」
「早く、練習するわよ。
遊びに来たんじゃないからね!」
オリオンのメンバーの隅に雅美の姿があった。
雅美は、若菜に小さく手を振った。
「雅美、元気?
隅にいないで、こっちに来なよ。」
「…。」
若菜、空気読んでよ。
全く変わってないんだから……
スター・オリオンと共同で練習した。
舞鶴翼も華咲舞も二人の成長に唖然とした。
そして、スター・オリオンのブロードウェイ公演も終了した。
「若菜……
私、彼と結婚してオリオンの娘役を降りろうと思っていたの。
そして、オリオンの娘役を若菜に譲ろうと思ってたが、私の大きな大間違いだったわ。
あなたは、オリオンの娘役で止まる人じゃなかった。
今、あなたと代わったら、私の存在自体が無くなるような気がする。
もう一度、見つめ直して娘役を勉強するわ!
次の公演、一緒になったら、絶対に負けないわよ。」
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