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九・世界の反響
ホテルで若菜は、久しぶりに家族と再会をした。
「凄かったなぁ、迫力満点だったよ。」
「昨日の公演、おばあちゃんに見せたかった。
本当、頑張ったわね。」
「お父さん、お母さん、ありがとう。
こんな、遠くまで来てくれて!」
「こんな時にしか来れないわよ。
特に、お父さんと二人旅なんてね!」
「お母さん……
寂しい事言うなよ。
しかし、ニューヨークの街並みは、凄いなぁ。
俺も、エルヴィス・プレスリーになった気分で、リズムを取りながら街並みを歩いたよ。」
「あなたたらっ…
でも若菜、凄い根性だったわね。
おばあちゃんが亡くなった時も帰らず、ここで頑張ったんだよね。
おばあちゃん、亡くなる前日まで言ってたよ。
若菜からの連絡はあったかい?
元気かなぁ?
なんて毎日、心配してたのよ。」
「おばあちゃんに心配かけたね……
おばあちゃんが亡くなった日、本当は直ぐに帰りたかった。
でも、あそこで帰ったら、今の私は無かった気がする。
おばあちゃんも、それを望まなかったと思う。
おばあちゃんも、天国で応援してるよ。沙月と一緒に……」
「沙月…?」
そしてテーブルに置かれた、かすみ草はドライフラワーになっていた。
「ジミー・ブラウンですか?
私、福岡歌劇団の岡田です。
この度は、ブロードウェイコンサート成功ありがとうございます。」
「いえっ……
福岡歌劇団の皆様のお陰で素晴らしい公演が出来ましたよ。
つきましては、今年、六月からの日本、四大ドーム公演を観劇Y&A二人で行う計画は、大丈夫ですか?」
「場所と日程は、抑えましたが、二人で大丈夫なんでしょうか?」
「岡田社長は、まだ、二人の実力を分かってないようで…」
そして、二人は、二カ月の間に一年分の収録を終えた。
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