赤と白3部

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福岡空港に特別専用機で歌劇Y&Aと島崎マネージャー、それにジミー・ブラウンが日本に凱旋帰国した。  「最初は、エコノミーで社長から酷い扱いだったが、帰りは特別専用機だよ。  お前達よくやったな!」  空港での混乱に備え、ヘリコプターを五機用意して、羽田空港とホテルの間には、沿道警備に警官三万人を動員をしていた。  「何あれ…。」  飛行機を降りる時、昔、テレビで観た風景が自分達になっている。  ビートルズが日本に来日した光景が今、自分達に……  日本の国旗を振る人や歌劇Y&Aのプラカードを差し上げるファン。  空港内は、溢れんばかりの人。 「茜、あの時ってビートルズどうした?」 「確か、皆んなに大きく手を振ったよ。」    二人を迎えてくれたファンに、大きく手を振った。  歌劇を知らない若者達も、今ではアイドルをしのぐ勢い。  歌劇Y&Aは歌では、海外や国内のアーティストのカバー曲や歌劇の曲を入れたアルバムを製作して、アメリカの歌部門でも、ビルボード連続一位を一八週の偉業を成し遂げ、日本でも、アルバム総売り上げがオリコン、年間チート一位に輝いていた。  歌劇Y&Aを乗せた、福岡歌劇団の専用車は、沿道警備に守られてホテルに辿り着いた。 そしてドームツアーは、福岡ドームから始まった。 「日本に帰って来て早速、公演って、しんどいね……」 「温泉なんか、入ってゆっくりしてぇ〜」 「若菜、誰が見てるか分からないから汚い言葉は駄目よ。」 「はいはい。」    
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