赤と白3部

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 十・新しい出発。        四大ドームツアー公演も成功を収めて歌劇Y&Aの勢いは止まらず、アメリカだけじゃなく全世界に人気が駆け巡った。  しかし、二人の見る風景は、派手やかな世界ばかり……  二人は、疑問を感じた。  私達の舞台を観に来てくれるのは、裕福な人達。  世の中、貧困で今日一日を頑張って乗り切ろうとする人だって沢山いるはず。  自分達は助ける事は出来ないが、楽しませる事は出来る。  私達には、歌劇や演劇がある。  貧困で困ってる人は、豊かな心が失いかけて、明日を生きろうとする事で精一杯かも知れない……   「茜、無料野外公演しない。  少しでも皆んなの心にパワーを届けたい」 「いいね!」    ジミー・ブラウンがプロジェクトする歌劇Y&Aプロジェクトチームで全世界野外公演を計画した。    島崎マネージャーは、歌劇Y&Aを含む五人のマネージャーの部長になっていた。  「それは、危険ですって!  誰でも舞台に入れるですよ。  それに、広い国定公園を使うなんて、馬鹿げてる。」  もちろん、岡田社長も反対した。 「ジミー・ブラウンさん、それは駄目だって!  危険だし、ましては全くお金が入らないんだから……  逆に、プロジェクトチームが全世界を駆け回ったら旅費などで福岡歌劇団は、大赤字で大打撃ですよ!」 「分かりました。  全ての旅費、現地での生活は私とS・Yスタジオに頼みます。  そして、現地のライブ映像を全世界に流します。  岡田社長は、この話には乗らないて事でいいですね。」   「そ、そ、その話、やっぱり乗ります。」 「それでは、福岡歌劇団は、半額負担してくれますか?  しかし、放映収入は二割って事で」 「えっ……」    
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