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若菜と茜の意向で先進国を避け、貧困な国を島崎部長に希望した。
「お前達、危険過ぎるって!
警備も相当な人数を動員しないと危な過ぎる。
何故なんだ。」
「茜と話し合ったんです。
先進国だったら、私達の事を知ってるけど、発展途上国の人達は、テレビも無いし、私達の事を知らないわ。
知らない人達に観て貰いたいんです」
「そして、その国の民謡ダンスも覚えたいの。」
「だから、警備なしで、現地の人達と触れ合い同じ生活を体験したいんです。」
「正直な気持ち、毎日が缶詰状態で、外にも出れない毎日だったわ!
解ってよ、お父さん……」
「茜……」
「そこまで、思い詰めてたのか……
気付かなくてすまなかった。
一からマネージャーやり直しだな。
俺がお前達を守ってやる。
最初、アメリカに行った時と同じようにな!」
島崎部長は岡田社長に了承を得て、二人は、まずネパールへと旅立った。
若菜、茜、島崎部長、ジミー・ブラウン、そしてS・Yスタジオの撮影カメラマン三人の計七人で首都カトマンドゥに到着した。
「ふっ……
何か息苦しぞ!」
茜は手に持ったガイドブックを覗いた。
「標高千四百メートルだって!」
「こんなところで、お前達は歌って踊るのか?」
二人は、まず目にした物は人やオートバイの多さ。
排気ガスで空気がよどみ、道路の片隅には牛が寝てそべっている。
現地の人は、気にする事なく横断している状態だ。
現地の子供達が寄って来た。
それは珍しいカメラの機材。
若菜と茜の事は、凄く懐かしく新鮮に映った。
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