赤と白3部

22/23
前へ
/23ページ
次へ
十一こんな、とこに日本人?    「気圧も低いし、排気ガスで空気も悪い、さすがに、ここは彼女達の喉を駄目にする、もっと田舎に行こう。」   「もっと、田舎だって!  ジミーも、どうかしてるよ。  ここは、まだ飲食出来る店も有ったり安心したのに……」 「部長、そんな事を言わずに行きますよ。」 「はい。はい。茜様。」    七人は、西ヒマラヤ山脈を見渡す素晴らしい風景が見渡せるガーラ村にたどり着いた。  そこには、もちろんコンビニもレストランもない。  ここでは、グルン族が自給自足の生活を送っている。 「凄いとこに来たなぁ……  よくジミーも、こんなへんぴな所を探したもんだ。」   そして、その日の夜、グルン族のガーハ村長が七人を歓迎してくれた。  【 स्वागत छ, धेरै टाढा। हामी तपाईलाई सबैलाई स्वागत गर्दछौं।  】   七人は、全く言葉が解らなかったが、現地の通訳も同伴していた。 「遠い所、ようこそいらしゃいました。 私達は、皆様を大歓迎します。  だと申しております。」  その日の夜にグルン族から盛大な歓迎会が行われた。  現地にしてみれば豪華な食事だったが誰一人、口に合わなかった。  そして、グルン族は民族ダンスを披露してくれた。  決して派手ではないが、皆んな笑顔で心から楽しく踊っている。  これがダンスの原点なんだと二人は気づいた。   「現地通訳に明日、お返しの歌劇Y&Aのショーをするから、グルン族に伝えて下さい。  そして、この広場にセッティングするようにカメラマンにも伝えて下さい。」 「ジミー、ここでするの?」 「大丈夫ですよ。  島崎部長、安心して下さい。」    【それは、ありがたい!  そう言えば、山奥の隣村に、たった一人の日本人らしい人が海外ボランティアで来てるのを、わしは聞いた事がある!  隣村の村長に聞いて、その日本人も誘おうじゃないか。】   「えっ……こんなとこに、日本人?」    若菜(二三歳)  茜 (二四歳)    そして、二人に運命の出会いが訪れる。     第一章 おわり  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加