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二・翔け!歌劇Y&A
そして全米、いや全世界に歌劇Y&Aのスタジオ収録が流れた。
世界は、歌劇Y&Aに酔いしれ歌劇に対する社会現象にまで発展した。
それから一年が過ぎた。
S・Yスタジオは、歌劇Y&Aに延長の五年契約を結んだ。
日本では、これまで歌劇を知らなかった若者や外国人まで福岡歌劇団の公演に訪れ、超満員になった。
S・Jスタジオは次第に大きくなり、五十階建ての自社ビルを建てた。
社員も五人から、五百人を超える、大手の放送局になっていた。
ジミー・ブラウンも高級なスーツに赤いマフラーをまとい、毎回、巻きタバコをくわえてスタジオ入りをしてる。
ちょっと前の老人姿のジミー・ブラウンではなく、大富豪の老人紳士風に変わっていた。
しかし、何も変わらないのは、ここの三人だ。
「若菜、私達、何も変わらないね。
毎日、スタジオ収録ばかりで…
おまけに、外にも出れないし…」
「ほんと……
この前、フロントまで行ったら、パパラッチに追い回されたよ。
全く自由がないよ!」
「お前達、気をつけろよ!
絶対に外には出るなよ。
頼むよ!
しかし、人気が出ても、俺達は給料が上がらないしなぁ……」
「福岡歌劇団に所属してるから、私達は、基本給だけ……
全て、福岡歌劇団とジミー・ブラウン S・Yスタジオが持って行くみたい。」
「善人ぶったフリをしやがって、奴らは金の亡者だ!」
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