赤と白3部

5/23
前へ
/23ページ
次へ
  三・ブロードウェイシアター    数日後、桜木彩奈がジョン・F・ケネディ空港に到着して、島崎マネージャーが迎えに行った。 「長旅、ご苦労でした。  お疲れでしょう。  荷物、私が持ちます。」 「あぁ、貴方、島崎のお父さん?  マネージャーで頑張ってるみたいですね。」 「あの二人は……  来てないの?   なんか、恩知らずじゃない?」 「あの二人、公共の場に来たら大変な騒ぎになるんですよ。」 「あの二人、そんなに凄いの?」 「凄いのなんのって!  今は、アメリカでは時の人ですよ。」 「大げさな……」  二人は、タクシーに乗りS・Yスタジオに向かった。  タクシーの中では歌劇Y&Aの歌声がラジオから流れ、窓の外には二人のポスターが何枚も張られている。   「本当ね……  想像以上だわ……  日本でも、二人の話は聞いていはいましたが、ここまで過熱しているとは……」 「こちらじゃ、歌劇Y&Aか野茂英雄と言った感じで日本ブームですよ。  全米のビルボード三週続けて一位ですからねぇ」 「それは、日本でも、かなりの話題になってますが、ここまでとは…」    S・Yスタジオに着いた二人は、周辺にいるファンを押しのけビルの中に入って行った。  【今の派手な、おばさんは誰だ?】  【売れない女優さん?かも…】    二人は、スタジオに着くとジミー・ブラウンとサミー・ジョンソンがいた。  そして、収録室には、若菜と茜が収録を行っていた。  ジミー・ブラウンとサミー・ジョンソンが桜木彩奈のもとにやって来た。 「ようこそ、いらしゃいました。  私、二人をプロデュースしてます。  ジミー・ブラウンです。  桜木彩奈さんの日本での活躍も、もちろん知っていますよ。  今は、福岡歌劇団の名誉会長に就任されたそうで、こちらは、サミー・ジョンソンです。  ここ、S・Yスタジオの社長です。」  【初めまして。  長旅ご苦労様です。わたしがサミー・ジョンソンです。】  【こちらこそ、初めまして。  私は、福岡歌劇団の会長をしてます、桜木彩奈と申します】 「歌劇Y&Aは、ただ今、収録中ですが終われば、早速ブロードウェイシアターの見学に行かれませんか?  その後、打ち合わせと言う事で。  私の車を用意してますので。」  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加