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「お前なぁ、いっつも派手にやんなって言ってんだろ?」
幼女に、青年が傘に入るように近づく。
「蛇の目じゃない…」
「あるか、んなもん。ビニール傘で十分だ」
不服そうに膨らました頬を、大きめの片手で挟んで潰す。
「毎回言うけど、後処理のこと考えろよ」
「えー、雨だからいいでしょ?」
「今日は、な。毎回って言ってんだろ?」
「面倒くさい。あと、気をつけないと幼子を虐待しているお父さんに間違われて通報されるわよ?」
「誰がお父さんだっ!俺が親ならお前みたいな奴には育てねーよ!だいたい、俺のばあさ……」
そこまでで言葉が止まったのは、いつの間にか青年の喉元に刀の切っ先が向けられたから。
「それ以上言うと、殺るよ?」
「冗談?」
暫く睨み合ったのち、互いに殺気をおさめた。
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