カウンタークロックワイズ

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どこに住んでいようが、今日のように出張の後や、何日かまとまった休みがあればこうして俺の家に来るのだ。俺が行った回数より、ともやんが来た回数の方が圧倒的に多い。 その度に俺の家の酒を飲んで、俺のジャージを着て、俺の漫画を読んで、俺と同じ銘柄の煙草をしがみながらゲームをする。持ってくるのは仕事の荷物と、自前のコントローラーと、二人分のつまみだけだ。 ある時、ウチに来たともやんが言った言葉がある。 「リセットしに来た」 リフレッシュを言い間違えたのではなく、本人にとっては確かにそうなのだろうと、俺も理解した。 俺がともやんと一緒に遊ぶ事で一番楽しかった頃に戻るように、ともやんはこの家に来て俺と過ごす事で、一番調子の良い状態の自分に戻るのだ。 ロールプレイングゲームで行き詰まった主人公が、セーブポイントからやり直すように、ともやんはここからまた気持ちを新たに、大阪や東京や名古屋での生活というステージへ挑んでいた。
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