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キスを強請る言葉でウーヴェを喪うという恐怖を覆い隠したリオンに気付いたウーヴェは、己が恐怖に囚われた結果リオンにもそれを感じさせていたことにも気づき、足の痛みなどすっかりと忘れた顔でリオンを見上げると、リオンの顔を逆に見下ろすように寝返りを打って体勢を入れ替える。
「リーオ。許してくれ」
「……仕方ないなぁ」
そんな顔で許せと言われれば許すしか無いと器用に肩を竦めるリオンに今夜初めて笑みを浮かべ、額と鼻の頭、頬の高い場所にキスをしていくと期待に満ちた目が次の場所へと誘ってきたため、その誘いに乗るように薄く開く唇にキスをするとリオンの腕がウーヴェの首の後ろでどこにも行かないようにとの思いを込めて交差する。
「リーオ」
「……オーヴェ、もっと」
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