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たった一度のキスで許されると思うのかと笑われ、許して欲しいがそれだけでは無理だとも分かっていると笑い返すと二人の間に小さな笑い声が響き合う。
「オーヴェ、俺のオーヴェ。……二人で幸せになろうぜ」
あの日、神と愛する人たちの前で誓ったように二人で幸せになろう、その為に自分たちは生まれてきたのだからと笑うリオンの額に額を重ねてうんと小さく返したウーヴェは、そんなお前が重荷のはずが無いとも返されて軽く息をのむ。
「もしもお前が重荷だったとしても……そんなお前ごと支えてやる」
だから大船に乗ったつもりでいなさいと胸を張られてつい笑みを零したウーヴェは、船どころか何があっても揺らぐことの無い大地にしっかりと支えられているのだと実感し、リオンの肩に額を宛がって身を寄せるのだった。
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