Born To Be My Baby.

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「もう夜も遅いんだ。あまり騒がないでくれ」 「むぅ」  リオンを宥める為のキスと言葉に機嫌を直す切っ掛けを掴んだリオンは、不満を一言だけ零した後、寝返りを打ってウーヴェの頭の下に腕を差し入れる。 「ほら、オーヴェ」 「ああ……お休み、リーオ」 「うん、お休み、オーヴェ」  万が一夢を見たとしても俺がいるから大丈夫だし夢の続きはどれほど願ったとしても見られないのだから安心して寝ろと笑って鼻先にキスをすれば、ウーヴェのターコイズ色の双眸が姿を隠す。  リオンの腕枕で寝ることに今やすっかりと慣れてしまったウーヴェは、少し前に夢に魘されて飛び起きたことを思えばやけにあっさりと眠りに向かうことが出来る己が不思議だったが、そうなるように仕向けてくれた存在がすぐ側にいて穏やかな顔で見守ってくれているからだと認識したのを最後に意識を手放す。  程なくして聞こえてきた穏やかな寝息にリオンが胸を撫で下ろすと同時に小さくあくびをし、一足先に眠りに落ちたウーヴェを追いかけるように目を閉じるのだった。
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